KOSS/SILENCE [NRTH-1035]

2015年リリース、日本クラブシーンの至宝KUNIYUKI TAKAHASHIによるプロジェクトKOSSによるジャズ、コンテンポラリー、プログレ、エレクトロニック等を飲み込んだ独自の室内学的サウンドは札幌で生活する彼のイマジナリーランドスケープとも言える暖かくも深い彼の人間性を表したアルバム作品。

ヨーロッパ~南アフリカ・ツアーも成功させ、ワールドワイドな活動を加速させるクニユキ・タカハシによるプロジェクト、KOSSの7年ぶりとなったアルバム作品。innervisionsのコンピレイション作品「Muting The Noise」やMindgamesのチャリティー・コンピレイション「Composure」、Mule Musiqのコンピレイション・シリーズ「Enjoy The Silence」への楽曲提供等、その間にも新作を発表していたコス名義待望のフル・アルバム!!

これまでにリリースされたオリジナルアルバム3枚、Museum Of Plateの塚本サイコとの共作SAIKOSS、MINILOGUEとの共作に続く6作目となる本作は、これまでMule Musiqからリリースされたアンビエントコンピレーション"Enjoy The Silence"に提供していた生楽器やオーケストラの音を使いながらも実験的な要素も併せ持ったKossの新たな側面にフォーカスしたこれまでのキャリア至上最も完成度の高い作品に仕上がっている。

秘めたる感情が揺さぶられるかのピアノとアンビエンスが同居する"Dust"で幕を開け、どこか和的な雰囲気を持つ儚いピアノと幾重にも重なるストリングスが美しい"Endless Flight"、Emi Winterによるアルバムジャケットにインスパイアされたという"Eyes"はオーケストラとマリンバが幻想的な雰囲気を生み出している非常に彼らしい楽曲、幾つかの音が重なりながら静かに高揚していく非常に美しい"Mirror"、静寂の中に響くピアノに空虚感を感じてしまう様な"Over The Valley"、ムビラとマリンバの調べがひたすらに心地よい"Shadow World"、Kossというプロジェクトで常に大切にしているという実験的な部分が強く垣間みられる"Silence"、内省的なオーケストレーションと控えめなピアノがECMの作品を連想させる"Town"、ミニマリズムというよりシンプリズムという言葉がより似合う"Urs"、タイトルからも連想出来る何か物事の始まりを思わせる様な静かな躍動感に満ちた"Voyage"、深海にいるかの闇と微かな光を感じさせるストリングスの相反する世界観が特別な美しさを生み出している"Watercolours"、ノスタルジックなピアノがこのアルバムの終わりを伝えてくれている様に聞こえる"AncientTrain"で幕を閉じる。

A1.Dust
A2.Town
A3.Eyes
A4.Silence
B1.Mirror
B2.Watercolors
B3.Shadow World
B4.Over The Valley